複利攻勢

落ちこぼれ系会社員の投資ブログ

源泉徴収票を読み解く

わっかんねー

今年も最後の給与を受け取り、年末調整と源泉徴収票の発行が行われました。 サラリーマンの方は見たことくらいありますよね? 少なくとも会社には交付義務があるので、受け取ってないという人は確認しましょう。

上の方にはこんな感じで数字が 4 つ並んでると思います。

支払金額 給与所得控除後の金額 所得控除の額の合計額 源泉徴収税額
3,000,000 2,020,000 1,020,000 50,000

※数値は適当です

つまり…どういうことだってばよ?🤔

支払金額は 1 年間の給与だなってだいたいわかると思いますが、残りの数字はいったい何でしょうか。 どうしてこういう数字になるのか源泉徴収票だけでは読み取れないと思います。

正直理屈はどうでもいいという方は、最低限両端の支払金額と源泉徴収税額だけ押さえておきましょう。

一番左の支払金額は既に述べた通り 1 年間の給与のことで、いわゆる年収のことを指します。 税法上の「収入」に当たるものです。😁

ちなみに収入から税金や社会保険料などを引いて残ったもの、実際に会社から支払われるものが一般的に手取りと呼ばれます。

一番右の源泉徴収税額がみなさんがお国に支払った税金ですね。 源泉徴収なので毎月の給与などから天引きされており、普段はあまり意識することはないかもしれません。 この例の場合だと 1 年間で 5 万円の税金を負担したということがわかります。😉

ただし毎月の給与の額から引かれた額の合計とは必ずしも一致しません。 毎月の源泉徴収の際は「月給がこのくらいなら所得税はこのくらい取ってけばいいよね」って感じで大雑把に推定して天引きしています。 なので 1 年間で計算しなおすと少しずれがあるものです。 そこで年末調整を行い、払いすぎた分は戻し、足りない分は追加で徴収することになります。

でも…...年収 300 万円で税金が 5 万円? 2% にも満たないとか何かやけに少なくない?😗

適当にでっち上げた数字なので正確ではないと思いますが、規模感は概ね一致していると思います。

少ない理由の 1 つは、この金額は所得税だけだからです。 この場合だと地方自治体に納める住民税が 10 万円ほど別に発生しています。

住民税は翌年の6月から翌々年の5月にかけて当年の分を払うことになります。 時期がずれるせいで感覚的につかみにくいですが、未払いの税金が発生しています。

でも合わせても 15 万円でやっと年収の 5% 程度です。🤨

なるほど なるほど なるほどー

所得税の最低税率が 5%, 住民税が 10% なので、逆算すると 100 万円分に対してしか課税されていないということになります。

年収 300 万円あるのに 100 万円分しか税金払ってない……。 それって…脱税ってコト!?😱

もちろんそんなことはありません。 税金は「課税所得」に対してかかります。 この例の場合は「収入」が 300 万円ありますが、「課税所得」は 100 万円しかないということですね。

課税所得を求めるには、まず「所得」を求めないといけません。 「所得」は「収入」から必要経費を差し引いたものです。

所得 = 収入 - 経費

この例だと「所得」は「給与所得控除後の金額」になります。 つまり経費は 98 万円です。

所得 202 万円 = 収入 300 万円 - 経費 98 万円

ところでこの経費 98 万円はどこから来たのでしょうか? 源泉徴収票には金額の根拠が書かれておらず不明です。

この場合の経費は「給与所得控除」のことです。 つまり「給与所得控除」が 98 万円ということです。

サラリーマンの年収に対して「給与所得控除」は予め決められています。 「収入」が 300 万円なら 98 万円、400 万円なら 124 万円という具合です。😊

なんでこんなものがあるかというと、まず前提として「働いて稼ぐ以上色々と経費がかかるでしょ」という考え方があります。 実際は(特に子供部屋暮らしだと)全然かかってなかったりしますが、そこは考えないことにします。 じゃあサラリーマン一人ひとりに経費を算出させ申告させようとしても無理があります。😜

サラリーマンの大半は怠惰で無気力で無知(暴言)なので、ちゃんと申告することなんてできません。 税務署側だって申告されたとしても、数が多すぎてチェックしきれません。 なので「ざっくりこのくらい経費があったと見なしますね」と決められています。

これは「給与収入」に対する控除なので「給与所得控除」であり、控除後の金額が「所得(給与所得)」です。

しかしまだ「課税所得」ではありません。 ここからさらに「所得控除」を引く必要があります。

「所得控除」としてまずは社会保険料などの各種保険料があります。 この数字は源泉徴収票にも記載されています。

それと源泉徴収票には記載されていない「基礎控除」、これがほとんどの人には 48 万円分あります。

今回の例は保険料が社会保険料だけだとすると以下のような式になると思います。

所得控除 102 万円 = 社会保険料 54 万円 + 基礎控除 48 万円

これで課税所得が計算できます。

課税所得 100 万円 = (給与)所得 202 万円 - 所得控除 102 万円

まとめるとこうです。

課税所得 100 万円 = (給与)収入 300 万円 - 給与所得控除 98 万円 - (社会保険料 54 万円 + 基礎控除 48 万円)

所得税 5万円 = 課税所得 100 万円 × 5 %(195万円以下の場合)

※実際は復興特別所得税でもう少し多いと思います。

ここでもう一度冒頭の表を見てみましょう。 それぞれがどのように算出されているか、もうおわかりですよね?

支払金額 給与所得控除後の金額 所得控除の額の合計額 源泉徴収税額
3,000,000 2,020,000 1,020,000 50,000

源泉徴収票がわかりにくいのは、給与所得控除や基礎控除といった暗黙の数字が隠れているからです。 さらに控除を引いた後の金額(給与所得控除後の金額)と控除の金額(所得控除の額の合計額)が並んでおり、計算式がイメージしづらくなっています。 なので最終的な課税所得もつかみにくいです。 理解してしまえば真ん中2つの引き算で簡単に出せるんですが……。

控除の名前も微妙です。 「"給与所得"控除」は"給与収入"から控除し、「"所得"控除」は(給与)"所得"から控除します。 混乱しますね…。😵

※専門家ではないので間違っていてもご容赦ください。その際はご指摘いただけると嬉しいです。

源泉徴収されていると普段は意識することがあまりないと思いますが、投資家たるもの税制をキチンと理解しておきたいですね。 そうすれば資産形成期に高配当を嬉しがるようなトンチンカンな考え方に陥ることも減るんじゃないかな。

12月4週目の成績

今月の成績は先週までのマイナスからプラスに転じ +1% 程度になりました。 欲を言えばもう少し上がって欲しかったですが、ここから年末に向けて +5% くらいまで伸ばしたいところです。🤑

今年もあと1週間ですが、年間成績はそこそこのプラスで終わることができそうです。 個別株で遊んで少し火傷することもありましたが、幸運にも市場環境に恵まれ単年で見ればかなり良いパフォーマンスだと思います。 指数に負けてるのは秘密だぞ!🤣